現場で実効性のある看護方式とは

看護方式には、プライマリーナーシングやチームナーシングというものがあります。

プライマリーナーシングは、1人の看護師が1人の患者に対し責任を持ってケアを行う方式で、チームナーシングは複数の看護師がチームを組み1人の患者のケアを行う方式です。

プライマリーナーシングは、患者の容態変化に気付きやすく手厚い看護が期待できる一方で、看護師の力量によって患者に不公平感が生じるデメリットがあります。チームナーシングは、複数の看護師が入れ替わり立ち代り1人の患者をケアするので、プライマリーナーシングのような不公平感はありませんが、ちょっとした容態変化に気付きにくいという欠点があることも否定できません。

医療現場では、こうした看護方式の弱点をカバーするため、様々な看護方式を組み合わせて実効性の高い方式を工夫しています。チームナーシングでは、看護師同士のコミュニケーションが疎遠にならないように、固定チームナーシングを採用している現場もあります。固定チームナーシングは、年単位にチームのメンバーを固定して、お互い気心の知れた看護師が息の合ったケアをできるように配慮されています。

また、チームの中で、2人1組のコンビを作ることで、年間を通して不変のパートナーを選んでお互いを支え合うパートナーシップナーシングと呼ばれる方式もあり、チームナーシングとの併用が行われるようになりました。これで、プライマリーナーシングに近い手厚い看護が可能になっています。さらに、複数のコンビを統括するグループを形成し、副看護師長がパートナーシップの機能をチェックするという多重的な構造で現場を支えようという試みもなされています。